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「中庭の出来事by恩田陸」読書メモ 2

カテゴリ : メモ
1の続き。
ネタバレの可能性アリ。
十分注意すること!
●中庭にて6
p153
細渕。
三番目のボタンが取れていることに気づく。
既視感。
中庭にて1と2の出だしと同じ。
何か意味があるのかな?
傘を開くと鍵がチャリン。ふむ、使えるな。
こいつはやはり脚本家。
!神谷は実在するのだろうか?台本中だけ?細渕は?そして、それは全ての人物についていえること。
と考え込んでて笑った。当然、全員恩田陸の著書の中にしかいないに決まってるジャンw
待ち合わせに遅刻。
女が待っている。
楠巴(くすのきともえ)。
茶色いふわふわの天然パーマを、トウモロコシの毛のように頭のてっぺんで結い上げ、赤い細渕のめがねをかけている。
そばかすいっぱいの色白。
表情の読めない細い目。
針金のようなスレンダーな身体。
国籍不明にして年齢不詳。
実に顔が広い。
夫は冒険家で、家に帰るのは数年に一度。
その男を見たものは誰もいない。
驚くほど博識で、世の中を読む野性的な勘の持ち主。
「次に来るもの」「あるものが当たるか当たらないか」を嗅ぎ分ける能力。
細渕が脚本で迷うと相談する。
!本作の名探偵登場かな?
常に原色の服。
わけを聞くと「性格地味だから、服でバランスとろうと思って」
と真顔で返事。
細渕の脚本も話が込み入っている。
細渕が構想している脚本は中庭での毒殺。
内容は、ひとり舞台のオーディションを受ける3人の女優と、脚本家の毒殺。
!あ、『中庭の出来事』じゃん!
犯人は脚本家に脅迫されていたが、難度の金を取られていた女優が、耐えかねて金を出すのを断る。
脚本家は、その女優を告発する一人芝居を書く。
つまり、発表されるはずだったキャストが犯人。
巴のもう一つの才能。生まれながらの探偵。やっぱし!
ビル街の中庭での出来事をきっかけとして、細渕は脚本を書き始めた。


●旅人たち3
p165
駅のような場所で話している昌夫と中年男。
脚本家が脅迫のための脚本を書き、3人の女優がオーディションを受ける話。
!ん?ここはどこだ?『中庭の出来事』の一部なのか?それとも、他にも脅迫相手に一人芝居をさせようとしている脚本家がいるってこと?細渕とか?
オーディションで使ったホンの現物!
タトエバオレダッタラ。
昌夫はその言葉がやけに作為的に響いたのに違和感を覚えた。
まるで、わざと強調して聞かせるみたいに。
必ず言わなければならないセリフ。


●『中庭の出来事』5
p172

死体役の男が語る、知人の脚本家の話。
真夜中に隣人の部屋のドアの前に立つ女。→三角関係という結論。
たくさんの黒いビニール袋。

女優1
父が偉大な役者だった。
二世女優の苦労話。

女優2
高校時代は硬式テニス部。
女優を始めたのは大学から。
友達に誘われて裏方を始めたら、主催兼脚本兼演出が看板女優とデキてて、そこがすったもんだの挙句に初日の前日に看板女優が失踪。
代打としてセリフ覚えが得意で、既にセリフが入っていた彼女がデビュー。
旦那は麹町で小料理屋。
よき理解者。
子どもはいない。

女優3
p191
出身は近江。
滋賀の琵琶湖の近く。
生まれてすぐ、大きな老舗の料理旅館に養女に出され、厳しく育てられる。
実の両親の記憶はなく、行き来もない。
14歳の時に養母が病死。
養父は、ちょっとだらしない、小心なところのあるぼんぼんで、しばらくして再婚。
その相手も再婚だったが、ほどなく男子を出産。
養父が彼を溺愛。
父にとって、女優3は目障りになり、母にとって、女優3は前妻に育てられた煙たい存在。
後妻には誠という名の病弱な連れ子がいた。
肺や心臓も悪く、学校に行かず、ほとんど家で寝ていた。
父母は彼を嫌い、ほとんどほったらかし。
誠は女優3を「ねえちゃん」と呼び、2人はとても馬が合った。
誠は落語や本やお芝居の話が好きで、女優3は彼のために、外で見てきたそれらを再現してやる。
それを喜ぶ誠を捨てるわけにいかず、家を出る決心がつかなかった。
その誠が、弟の友達にうつされた風邪がこじれて病死。
女優3は17歳で家を出る。
流れ流れて京都の料理旅館で働いているところに、養母と懇意にしていたお得意さんに再会。
一緒にいたM座の☓☓先生に気に入られて、先生に誘われて研究生に。
これをきっかけとして、役者の道へ。
先輩に意地悪もされたがこれに耐え、養母の英才教育のおかげもあってか、20歳で主役をもらったころには誰も文句を言わなくなっていた。
その初めての舞台初日のカーテンコールの時、誠の声が聞こえた。
それからも誠は、仕事や人生に迷っている時に、時々現れる。
声がするときもあれば、客席の隅に座っている時もある。
誠はちっとも歳を取らず、自分ばかりが歳を取っていく。
女優になって40年。
何度か結婚したけれど、今は1人。

●中庭にて7
p202
細渕と楠巴。
ビル街の中庭で死んだ娘の事件について、一つの解釈が提示される。
漏電事故によるショック死。
!しかし、何だかしっくりこないなあ。全体の構成から考えても、彼女は女優だったのでは?

2人の会話で気になった点。
p203
「自分の見たものが、実際に起きていたことかどうかは分からないわよね。」
「そうは言ってないわ。自分が見たものの意味を理解できなかったんじゃないかってこと」
p214
「どうもよく分からないんだけど」
「何が」
細渕は、なぜかその瞬間どきっとした。巴のほんの短い視線が、自分の中心を射抜いたような気がしたからだ。

3人の女優について
1人は、芸能界のサラブレッドとして子供の頃から活動していた、まだ若くて実力もあるホープ。
1人は、学生演劇から始めて小劇場から役がついてきた性格俳優タイプ。
1人は、新劇で長年叩き上げた大女優。

●旅人たち4
p216
昌夫と男が話しながら歩いている。
男の姉の話。
血の繋がっていない姉は、小さい頃に家を出てから音信不通。
顔は今でもよく見るんだけど、直に会いたいとは思わない=客席から舞台上の姉なら見ている?
!ん?これって、女優3が『中庭の出来事』5で話してたことと、エラく似てないか?男=誠?
でも、
1:女優3の話が本当なら、誠は病死している。
2:男の今回の話の中で、男は姉ににくまれている。
という2点が矛盾点。
しかし、どちらも
「自分が見たものの意味を理解できなかった(中庭にて7から引用)」と考えると、説明がつきそうな気もする。
特に2なんか、馬が合うと片方が思っているのに、相手は憎まれていると勘違いしていたなんて、ありそうな話だ。
p221
2人は『霧の劇場』に到着。
霧の劇場の来歴。
もともとは、林業で栄えたこの地に作られた駅舎。
ゆうに三階建てに相当する高さ。
全盛期には、常時駅員や作業員が泊まり込んでいた。→宿泊施設も整っている。
廃駅になってから長いことたっていたが(!『歩いているのは、5年前に廃線になった線路。』旅人たち2参照)、
自治体職員に芝居好きな男がいた。
p223
ある時、この駅舎が劇場になるというインスピレーションを得た自治体職員の芝居好きな男。
市民の後押しが盛り上がり、夏だけ劇場として使用することに。(冬は雪に埋もれる。)
『ゴドーを待ちながら』をやったらぴったりのプラットフォーム。

(2人の男に待たれても、ゴドーは結局来ない。)
ゴドーを待っているのは、この2人?
p224
「ふと、昌夫は、コートを着た2人の男が駅のベンチに座っているのを見たような気がした。
p227
今年の演目は「牡丹灯籠」。
「果たして、その提灯を持っているのは何者なのか。役者なのか。いや、ひょっとして、この世ならぬものと入れ替わっているのではないか---」
劇場には幽霊が出る。
林業時代にも事故があった。
男は、2年前の夏、「奴」が公演の仕込みをしている時に遊びに来て、その時幽霊を見た。
閉鎖作業中で開けっ放し。
その中で、たまたま今日一日だけ無人になる。
その日を選んで、男は昌夫を連れてきた。
2年前の夏の公園は「真夏の夜の夢」。
週刊誌では「真夏の夜の悪夢」と。
役者が1人増えていた。
役者が全員黒子。
顔を隠す=退場。
小柄で長い黒のドレスを着た女(?)が混じっていた。
脚本家が照明も兼ねる忙しさ。
千秋楽の前日、通路を駆け抜けて、改札を出て行った幽霊。
p241
「奴はあの上演をきっかけに、例の芝居を思いついたということだ。」
「例の芝居」=「真夏の夜の夢のオーディション」
以下、昌夫の談。
「特定の役者の熱心なファンだった」と「本人が役者志望だった」という説を除いて、そこまでして舞台に立ちたい理由を考えてみたい。それに気がついて、彼は「告白」を書いたのではないか。
上演中の舞台の上でなければできないことって、何でしょう。
「男」の返答

役者と接触すること→接触していないので☓

観客の顔をじっくり見ること。芝居に来るはずの誰かを探していた。
昌夫の説
山奥では外は闇。だけど、上演中の舞台は、カッと照りつけるような明るさ。その明るさが欲しかったのでは?
!自分の顔を見せようとした?

●『中庭の出来事』6
p247
舞台の掃除をしている男
ジェームズ・ディーンの呪われた車の話「嫌われ者」
女心の不思議
いつもくっついてるくせに、本当は互いのことをよく思っていない。
しかし、「あの子達、実はうまくいっていないらしい」と言われるのは大変な屈辱らしい。

女優1
女優2、3について
甲斐崎には個人的興味。
高校時代に小劇団「リアルフェイク」に行って見つける。
どれも全然違う役なんだけど、印象に残る。
『赤と黒の女』
シリアルキラー役。ブラックなユーモアと不気味さ。
平賀芳子は大先輩で大女優。尊敬。
!舞台を掃除していた男の話『「あの子達、実はうまくいっていないらしい」と言われるのは大変な屈辱らしい』のフィルターを意識して聞こう。
華、技術があって、古典から時代劇まで、何をやっても大スター。
父とも仲が良い。
子どもの頃から、何度か会った。
最近は、泉鏡花ものをやっている。

女優2
自分だけは学生演劇出身。
!女優2=甲斐崎
平賀は格の違う大女優。基本形がしっかりしている。
槇亜希子(まきあきこ)=女優1
演劇界のサラブレッド。両親ともに芸能人で、何でも達者。

女優3
甲斐崎は頭のいい役者。身体もついていっている。
亜希子ちゃんは周りに流されない。TVドラマにも出演しているが、舞台の子。

女優1,2,3
香野百合子は犯人では有り得ない。
なぜなら、自分と新橋でぶつかったから。
!交換殺人の可能性!?
犯人は、首にそら豆型の痣がある男。

!実在するのかな?
!これって、裏を返せば自分のアリバイを主張している?
!河野百合子は3人とぶつかったのか?
 いや、オーディションだから量子論的に3人とぶつかったわけか…。


『告白』という台本の内容は、「脚本家がある女優に殺され、そのことを知っている他の女優が、その犯人をかばう、という話」。なぜかばったのか、という謎が中心の一人芝居。
!上記の『告白』という台本は実在するのか?
 『中庭の出来事』という脚本の中にだけ存在するものなのかも?
脚本家は、ある女優を強請っていたらしい。『告白』はそれを告発する話。
!何だか、話として魅力がないなあ。本当は告発が目的ではないのでは?
脚本家が殺された時、3人とも居合わせており、身体検査を受けたが、毒は持っていなかった。(ウェイターがカラーの花束に隠して(?)持ち去ったからね。)

女優1
数年前は高校生。
女優1=槇亜希子
疲れ切ってベンチに座り込んでいる前を駆け抜けていった2人の女子中学生。→私は自分の意志で走るんだ。
先生も走っている人。
!ジェームズ・ディーンの車の話に繋がる?

女優2
初日が近づいてくると、妙な癖が出る。
私はラーメン。
先生は洗い物。
!洗い物を使って、毒を仕込めないか?
スタッフは、みんな先生の癖を知っていた。

女優3
p285
「え?貴子さんとあたしが?先生と三角関係の時期があったのでは、ですって?先生は当初、あたしと一緒になるつもりだった?」
「あたしが最終的に信じているのは、その人のクリエイターとしての清潔感なの。」
媚、甘え、皮算用が紛れ込むと、たちまち芝居が濁る。(計算OK。もうけもOK。)
作品に対しては、ただの馬鹿でいてほしい。
仕事の次の存在でしかないことを、貴子も寂しく感じていた。
貴子はもともと、人に強制されてなった役者。
!ん?学生演劇の人?いや、それは甲斐崎か。いやいや、学生演劇の人は1人とは限らない!
郷里の滋賀の旅館へ2人を招待した時、日がすっかり暮れてしまうまで、バルコニーで3人で過ごし、仲居を呆れさせた。

中庭にて8
p295
ウェイターであるらしい「彼」。
制服を着ると「誰からも見えなくなる」。
p298
「見る者とみられる者は、いつなんどきひっくり返っても不思議ではない。」
待ち合わせらしい、読書に没頭している女性客。
鮮やかなセーターにべらんめえ口調の30~40代。
入ってきたのは、黒いタートルネックに薄いコートを羽織った、ひょろっとした中年男。
楠巴と細渕。
細渕の注文は鴨とアンディーブのサラダ。
彼は、デ・ジャ・ビューを覚える。

中庭にて9
p303
女性客と給仕?
女が店に入ってくる。
グラスワイン、赤。鴨とチコリのサラダ。
彼女は有名な女優。彼の父の年代に熱烈なファン。=平賀芳子?
2人目の女登場。=甲斐崎?
TVドラマのバイプレイヤー。40歳前後で長いソバージュ。
2人の女優の会話。
詳細は描かれていないが、「中庭にて2」なのか?
血を吐いて死ぬ平賀。

中庭にて10
p308
細渕、楠と赤と緑のジャケットを着た小さな芸能プロダクションのマネージャーの会話。
平賀の死について。
誰にも毒を入れる隙がなかった。
が、割れたグラスからは毒が検出された。
平賀と甲斐崎は、来春、舞台で共演することになっていた。@「何がジェーンに起こったか」
事故で体が不自由な姉。
過去の栄光に浸るうちに精神を病んだ妹。
妹が姉に暴力を振るうようになる。
姉妹ともに元女優。
母と妹に翻案。
「被害者はどちらでも良かったのかもね。」
「周囲の客に殺人事件を目撃させることが犯人の目的だったような気がして。」
『「周囲の客に?」細渕はなぜかその時、ぎくっとした。』
『舞台の隅で倒れている男。闇を切り裂くスポットライト。細渕の頭の中を、一瞬の白黒の場面のイメージが駆け抜けた。』

『中庭の出来事』7
p321
舞台中央で、「男」が客席を「あなた」に見立てて話している。取り調べ?
『先生を愛してらっしゃったんですね。』(注意喚起。先生が脚本家である確証はない。)
「あなた」は河野百合子とぶつかった。
お祭りのためにアリバイ工作が崩れた話。
雨で道路が20センチ近く冠水+看板が落ちて通行止め(3時ちょっと前から2時間近く)
ゆえに
嘘を吐いている。
河野百合子をかばっている。
旅人たち5
p331
昌夫と「男」、2人で同じ台本を読んでいる。
台本の内容
・2人の女が共犯
・ヒロインは女優
・演じる女優に対する告発だった?
昌夫は携帯灰皿を持ち歩いている。

『中庭の出来事』8
p337
「男」が取り調べをしている。
河野百合子のアリバイを立証する証言が、偽証であると主張している。
床に開いた穴の話。
「男」は携帯灰皿を持ち歩いている。
!男=昌夫?
双子の犯行は起訴できない。
嘘を混ぜるのならば一箇所だけで、嘘になりそうなところは省く。
靴を修理した場所が、犯行現場近くで見つかった。

女優1・2・3が犯行の否定と、自分以外の女優の動機を証言する。
女優2→槇
女優1→平賀
女優3→甲斐崎(甲斐崎が靴屋でアルバイトしていたという情報。何じゃこりゃ?)
その後、それぞれの女優がそれぞれの動機を否定。

p369
「男」の独白。
『私は、若い頃のことを思い出しました。友人と、山の中にある、鉄道の廃線跡を歩いていた時のことです。』
『ヒロインを追い詰めていく男―恐らくは、私と同じ職業なのでしょうが、彼にも親近感を覚えました。』
『特に、嘘の話には頷かされました。』
台本上では、女優は自白し、河野百合子は無実であることが明らかになる。が、何かを忘れているようなもやもやが消えなかった。
ふと寄ってみた犯行現場の靴屋は病死。店は弁当屋に。
隣の喫茶店に入って休み、勘定をしようと立ち上がって、伝票を持ってレジを振り返ったその瞬間、自分の間違いに気がついた。
『その瞬間、背筋を伸ばして、きょろきょろと辺りを見回したことを覚えています。いきなり、周りの景色が変わって見えたからです。』

旅人たち6
p380につづく。
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